「睡画の溜め息」全文

降り注ぐ一粒の瑕疵に鳴くひと夜 ネムラズ
揺れる音の粒 ひとつ呟き 欲に触れ終われよ
無知なる存在 眩しき非を振り返る事なく
線上の虚無 愚かにも音のズレを人は辿り
無限を知らぬ母の声 幽玄象る
遠吠えの数 届く事なく 眠リ 追われる

推察の波に染まる紙一重 定着 ネムレズ
わたくしの鼓動 赤く 高鳴り洗われる
貴き雲の裏に真夏は漂い
影響は往復し 灼熱 あらわなり
燃焼を経て水の色に訪れる寂滅
遠方に儚くも響き 眠ル事許サレズ

円転の音 空想に浮かぶ 人の影 ネムラセズ
地平線に揺らぐ星 メチレンブルーの憂鬱
180度振る
果てより轟き線を極めし同源
原初に無数の兆しありけり
炎天のもと 弦の足跡 路上隣
同音を刻む タントラ 眠ル事叶ワズ

四方に散る立体の中へ 路上の窓に反射の弧を描く
同刻ネムルベカラズ連声には遠く 繰り返されたし衝突
波形に脅かされた脳内に終わりは見えず
練磨重ねる万物の歓喜 長く 僅かな静寂に17分
わたくしは水の言葉を網羅する
さらに降り続く現状 眠リ続ケヨ

分離の部屋にて全霊の憎悪 絡み合う数式
統合は原点を彷徨いカラビヤウの悲鳴
逆らうも 眠リ続ケヨと
慟哭 忘ること叶わず千の世に散る 乾く14時
暑き地 該当に価せしや まだ少し 君よ 深ク眠レ

どこまでも遠く 有限の奥底へ
途方に暮れる辺境の隠者 カンテラを掲げ
いつまでも いつまでも 眠ル事許サレズ

前例無き特異点を迎え 振るう圧き血 街灯は顫え
仙境の因子や 霞め消え去り 狂え
報復の余地なしと叫び 臨死せし者
逆回転を形成し 月日を生贄に得た全てを灰にする睡魔
混沌 降臨するも蹴散らし
胞子動点 無上瑜伽
細胞の一つすら 眠ル事許サズ

飽きて優なり空に君は目を覚ましたまえ
秋夜 しばし忘れよと 優雅 過剰